私の履歴書を公開します④
2018年10月、長崎から関東に戻ってきた私は、オリエンタルランドへの入社日を待ちながら、短期のアルバイトをしたり、旅行をしたりして過ごしていました。
そして2019年4月
ついに、オリエンタルランドに入社する日がやってきました。
2007年、入社を夢見ていたあの日から、12年の月日が流れていました。
憧れの会社に入社することになったきっかけ。
しそして、憧れの会社をなぜ辞めることになったのか。
そこで何を学び、どのように次のステップへ進んだのか。
今回は、オリエンタルランドで過ごした約4年間のお話です。
長崎県佐々町で地域おこし協力隊として仕事をしていた私は、任期満了の2018年10月を目前にして、次の仕事について考えていました。
そんなある日、大学生時代ディズニーランドでアルバイトをしていた頃、お世話になったオリエンタルランドの社員の先輩から声をかけていただきました。
「オリエンタルランドで働いてみないか」
ちょうどその頃、オリエンタルランドでは2019年度入社の経験者採用の募集が始まっていたそうです。
2007年に新卒採用試験を受けたものの、残念ながら不採用だった私。
それでも、心のどこかにオリエンタルランドへの憧れは残っていました。
「2007年には採用されなかったけれど、いろいろな経験を積んできた今なら、採用してもらえるかもしれない!」
そう思い、経験者採用に応募することにしました。
その先輩は、私のことをとても気にかけてくださり、採用試験に向けて何度も面接の練習をしてくださいました。
今でも感謝してもしきれない、大切な恩人です。
そして、先輩のサポートもあり、私は無事に採用していただくことができました。
12年前に届かなかった夢が、ついに実現した瞬間でした。
オリエンタルランド入社
私は、フード本部フードオペレーション部のテーマパーク社員として株式会社オリエンタルランドに入社しました。
フードオペレーション部のテーマパーク社員は、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーのパーク内にあるレストランの運営管理や売上管理、キャストの人事評価や育成などを担当します。
私が最初に配属されたのは、東京ディズニーシーにある「ケープコッド・クックオフ」というレストランでした。
主にハンバーガーなどを販売するショーレストランです。
入社後は、まずキャストと同じコスチュームを着て接客を行い、レストラン全体の流れを把握するところから始まりました。
その後、キャストの中でも「リーダー」と呼ばれる、キャストを取りまとめるポジションでトレーニングを受けました。
このトレーニングで大切だったのは、キャストとのコミュニケーションです。
同じコスチュームを着て一緒に働くからこそ、自然に話せることや、距離が近くなることがたくさんあります。
テーマパーク社員は、一般的に「スーパーバイザー(以下、SV)」と呼ばれます。
SVはスーツを着て仕事をするため、キャストからすると、どうしても「上司」という印象が強くなりがちです。
気軽に話しかけることが難しいと感じるキャストもいるかもしれません。
だからこそ、コスチュームを着てキャストと一緒に働くこのトレーニングは、とても大切な時間だったのだと思います。
オンステージでの接客トレーニングだけではありません。
キッチンでは、カリナリーキャストと一緒にハンバーガーやポテトを作るトレーニングも行いました。
驚いたのは、コスチュームを着て行うキャストトレーニングが、半年ほどもあったことです!
その後、SVになるための試験を受け、SVとしてデビューしたのは、2019年10月頃だったと思います。
そして……。
あの恐ろしい出来事が起こるのです。
新型コロナウイルス感染拡大
2019年12月頃から、ニュースで報じられるようになった新型コロナウイルス。
日本国内で感染者が確認されてからは、あっという間に感染が広がっていきました。
そして、2020年2月29日。
東京ディズニーリゾートは、臨時休園を余儀なくされました。
会社からは自宅待機が命じられ、出勤は週に2〜3日、1日2時間ほど。
出勤しても、私たちにできることは限られていました。
水道を流したり、施設の点検をしたり。
そして、不安を抱えているであろうキャストたちに電話をかけ、少しでも不安を和らげられるように話を聞くこと。
それくらいしかできない日々でした。
せっかく憧れの会社に入社し、SVとしての仕事を始めたばかりだったのに。
これからどんな日々が待っているのか、先の見えない状況が続いていました。
東京ディズニーリゾート営業再開
2020年7月1日。
ついに、東京ディズニーリゾートの営業が再開されました。
SVとしては、まだ十分に仕事を経験できていない状態でした。
そのため、営業再開後は、売上目標の設定、食材の発注数の決定、キャストとの人事評価面談など、SVとしての業務を一つひとつ学んでいきました。
そして、2020年11月付で異動の内示が出ました。
次に配属されたのは、東京ディズニーランドにあるフランス料理レストラン、「ブルーバイユー・レストラン」です。
ケープコッド・クックオフはカウンターサービスのレストランでしたが、ブルーバイユー・レストランはテーブルサービスのレストラン。
業態が大きく異なるため、最初は戸惑うこともありました。
今回は1か月ほどのキャストトレーニングを経て、SVとしての仕事を始めました。
ブルーバイユー・レストランでの仕事で大きく異なっていたのは、予約制のレストランだったことです。
毎日の予約状況や入園者数の予測などを確認しながら、当日の予約枠をどれだけ開放するかを判断することも、重要な業務の一つでした。
予約枠を開放しすぎると、オーバーブッキングにつながる可能性があります。
一方で、予約枠が少なすぎれば、売上にも影響します。
事前予約の状況や当日の入園者数の予測を慎重に確認しながら、判断する必要がありました。
予約数が売上にも影響するため、当日の予約枠の開放は、責任の大きな仕事でした。
そして、1年も経たない2021年9月。
またしても、異動の内示が出たのです。
次に配属されたのは、東京ディズニーランド内にある会員制レストラン「クラブ33」でした。
このレストランについては、詳しくお話しすることができませんが、SVとして担当する業務は、他のレストランと大きく変わりません。
なぜ辞めたのか
オリエンタルランドで働き始めて3年が過ぎた頃、私はふと、こんなことを考えるようになりました。
「私の仕事人生は、このままオリエンタルランドで終わるのだろうか?」
オリエンタルランドは、素晴らしい会社でした。
やる気があれば、どんどん上を目指していける環境もありました。
それでも、まだ30代だった私は、このまま一つの会社で定年まで勤め上げることに、少し抵抗を感じていました。
「まだまだ、知らない世界を見てみたい!」
そんな気持ちが、少しずつ大きくなっていったのです。
「世の中には、どんな仕事があるのだろう?」
「今の私にできる仕事は、他にもあるのだろうか?」
そう考えるようになり、ビズリーチというスカウト型の転職サイトに登録しました。
そこでスカウトを受けたのが、長崎県にある「陶々亭」の支配人の仕事でした。
奇しくも、再び長崎県で働くことになるかもしれない。
そして、新規店舗の立ち上げという、これまで経験したことのない仕事。
不思議な縁を感じました。
「これは、新しい世界に飛び込むチャンスかもしれない」
そんな思いもあり、私は転職を決意しました。
そこで何を学んだのか
オリエンタルランドで働くキャストの中には、勤続年数が10年、20年、ときには30年以上という方もたくさんいます。
そんなキャストのみなさんは、私よりも長く会社で働き、ディズニーキャストとして仕事をすることに、強い誇りを持っていました。
一方、私は中途入社。
上司という立場で、経験豊富なキャストに指示を出さなければならない場面もあります。
そんなとき、どのような気持ちで、どのように伝えるべきなのか。
そこで学んだのが、**「相手を尊重することの大切さ」**でした。
一緒に働く相手がどのような人なのかを知ることで、コミュニケーションの取り方は変わります。
例えば、長年働いているベテランキャストには、これまでの経験や仕事への思いを尊重しながら、丁寧にお願いする。
一方、まだ経験の浅い学生キャストには、必要に応じて導いていくようなリーダーシップが求められることもあります。
相手の立場や仕事に対する姿勢を理解することで、店舗運営をより円滑に進められるのだと思います。
そのためにも、普段から何気ない会話を大切にしたり、人事評価面談で仕事に対する思いを聞いたりしながら、一人ひとりを理解するよう努めてきました。
話を聞き、一緒に悩み、成長する。
時には、50名を超えるキャスト一人ひとりを理解し、尊重することの難しさを感じることもありました。
それでも、この経験を通じて、人と向き合いながらチームをつくっていくことの大切さを学びました。


